つくしの国(九州・西海道・鎮西etc)に存在するさまざまな人とものとことにかかわるよもやまを調査・研究し収録する歴史系アーカイブ。管理責任;遊古堂

2008年1月16日水曜日

古代の大隅国1

 今回の西海道研では薩摩・大隅国の調査と研究の現状を、一つの大きなタイトルとして掲げてはいたが、結局、大隅国を中心とした調査事例の紹介と学史の振り返りでとどまった。
 基本的には準備会が実施できない中で事務的な調整だけで当日を迎えてしまい・・・反省しきり。
 大隅での埋文のデータは8世紀末から9世紀以降に集中しており、8世紀中葉以前においては、現状では土器編年も充分確立していない現状があり、時代相を語るにはいまひとつ資料不足の状況であった。
 しかし、薩摩・大隅そして日向にも共通することであるが、中北部九州では8世紀以降に顕在的傾向にあった支配施設である郡衙、国レベルの広域交通路であった駅路が衰退ないし廃止・縮小化に至った9世紀において、南九州では支配施設である官衙は顕著でないが、姶良町城ヶ崎遺跡で発見された官道、各地の墨書・ヘラ描き土器の出土は、中北部九州とは時間差をもってそれらが存在していることを示している。中北部九州では8世紀に顕著であった古代的要素が、南九州においては平安期に顕著になっている傾向が読み取れる。   ・・・つづく

遊古堂プロフ

博多i椿屋主人。 趣味;盆栽、仏画、よもやま噺、山さるき 博多、筑紫地区、各地山岳に出没。